林業の講演会に参加しました

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林業の講演会に行きました。テーマは安全と次世代の林家の育成についてです。
講師は、林業試験場に勤められている方で、愛媛県労働力確保支援センターで林業への就業を支援されている鳥生氏です。
愛媛県労働力確保支援センターとは、簡単に言うと林業に特化したハロワですね。数ある就職あっせん業者の中で、無料で就業支援してくれるのはありがたいですね~(´∀`*)ウフフ

まず、昭和50年代までは木材価格が安定しておりました。しかし、家の建築方法や材質が変化したのと、海外製品の品質向上と価格の下落によって国産材の需要が減少していったんです。
その結果、高齢化と同時に林家への新規就業者の数も減りました。林野庁のデータでは、愛媛県内においてH7年2000人以上いた林家が令和3年には903人に減っています。ただ、平成7年は平均年齢が56歳であったのに対し、現在は平均50歳と若返っているのは良いデータと言えるでしょう。

講演の中で気になることをおっしゃっていましたが、「不景気になると林家が増える」というのです。質疑応答でそのメカニズムをお聞きしたところ、まず、林業は慢性的な人手不足であるということ、農業や漁業のように技能や環境に影響を受けにくい業種であることを説明して頂きました。
つまり、新たに一次産業に就職するにしても、農業は収益化するのに時間がかかりすぎるのがネック、漁業は一定以上の技能を求められたり適正があるのがネックといことです。
昨今のウッドショックによって、国内の木材価格が高止まりしていることで今後は林家が一時的に増加するかもしれません。政府の経済的な失政もありますものね。

また、以前林業について書きましたが、あらゆる職種のなかで林業は労働災害が多い仕事です。これは主に自然を相手にする職業であることに起因します。様々な自然状況において労働しなければならないことで、作業の規格化が難しいのです。
その中で、多くの職種にあてはまるハインリッヒの法則(300件のヒヤリハット発生の中で軽微な災害は29件発生し、その中の1件が重大事故である)が林業においても当てはまります。
林業の現場においても、災害を無くす努力は続けられてきました。愛媛県では県が実施する林業技術研修制度が平成8年度からあります。その中で、愛媛県林業研究センターではAIを用いた測量、VR技術での伐採シミュレーション、シミュレーターでの重機の訓練が行われてきました。
私自身、愛媛県林業研究センターでシミュレーターを使って重機の運転や実機を使っての体験をしましたが、素晴らしい施設が愛媛県にはあるものです。

講師のお話では、今後10年でかつて植樹された樹が成長し、重機を使わなければ伐採が難しい状況になっていくだろうということです。そのことで、愛媛県では急峻な地形が多いため、架線による木材の運搬の必要性がある状況です。重機を現場に入れるには林道の整備が必要であり、道の敷設と得られる報酬のバランスを考えると、難しいでしょう。
課題としては人材の確保、安全性の向上、架線技術者の育成といったところでしょう。
皆様、ご安全に(´∀`*)ウフフ