伐採現場の研修

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本日は林業の研修に参加しました。西条市内の企業「西屋林業」による伐採現場をご紹介いただきました。
業務の内容としては、林道の敷設、伐採、枝打ち、造材、搬出という流れです。林業における「川上」と呼ばれる部門となります。
対して、ざっくりいうと「川中」は卸売り業「川下」は建築部門という分類になります。

西屋林業は森林組合などから委託を受け、山主の要望に応じて伐採と搬出を行う企業です。
日本の国土は約7割が森林で、その約7割が個人所有する私有林です。森林組合は、森林組合法によって設立され、森林所有者が組合員となって組織されている協同組合です。
 森林組合には、高い林業技術を持ったスタッフが充実しており、組合員や地域の森林づくりや森林経営の要望に応えています。
 また、森林の巡視や調査、行政の支援制度に関する情報提供なども行っています。

まず、伐採現場で使用される重機は木材を運搬する「フォアーダ」、樹を掴んで移動させる「グラップル」、玉切りや枝払いができる「ハーベスター」と「プロセッサ」などがあります。
全て揃えると、約5千万円になります。かなりの負担ですね。
そうでなくとも、重機の維持管理も負担となるでしょう。
愛媛では聞き慣れないですが、例えば、高知県ならばアイターンの方々向けに、最低限のものを町所有の機械をリースでやっている自治体もあるようです。
ここはそれぞれの企業の考え方ですが、効率を重視するならプロセッサまで導入して、伐採、枝打ち、玉切り、集材を一人で担当できるようにするでしょう。これならば、人件費を抑えることができます。

一方、西屋林業では現場を重視する方針に基づいて人材を入れているようです。グラップルを操作する人とチェーンソーで伐採と枝打ちを担当する人で作業を進めているというお話しです。

もう一つ重要な業務として、林道の敷設があります。専門のオペレーターが地形に合わせて道を作ってゆきます。
もちろん、土砂災害のリスクを抑えるため、足場の補強や治水も行うというお話しでした。
また、現場各々で立木の状態も異なります。出荷できる材積が大きい場所やそうではない場所があり、単純に太く高い樹が多ければ多いほど利益になります。そこは良質な山を残すのか、利益優先して値の付く樹を伐採するのか山主と相談しながら作業するということです。
最後に私の主観では、プロセッサなどの効率重視の重機を導入していない会社ではあるが、社員のワークライフバランスと社長自身の現場への想いがマッチングしている職場なのかなという印象でした。

松木たかし