大山祇神社、玉川ダム、今治市有林

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林業の研修で大山祇神社への安全祈願の参拝、玉川ダム見学、市有林見学を行いました。
山本五十六、伊藤博文の写真が境内の誰でも見えるところに飾られているのはここだけでしょう。昇殿参拝は緊張しました。

玉川ダムでは、ダム内部を通って最下部の発電施設まで見学しました。このダムは主に洪水調節、農業用水、都市用水の貯蔵が目的です。興味深いのは、今治市内だけではなく大島まで水路が引かれていて島民の生活用水としてダムの水が使われているということです。
ただ、現在は貯水量が約50パーセントであり、間もなく取水制限が行われると聞きました。しかし、農業用水にも利用されるという性質から、毎秒1.5トンの放水は続けているそうです。
確かに、今治は度々節水が呼びかけられるほど渇水に弱い自治体です。少ない貯水量を少しでも確保するために、ダムの上流で毎年溜まった泥を掻き出す作業が必要とのことです。
このダムには小規模発電施設がありますが、主に管理棟を維持するための電力を発生させているそうです。
また、玉川町の飲食店では、ジビエを使った玉川ダムカレーが食べられるそうですじゅるり。

最後に我々は今治市有林を見学しました。今治農林水産課の職員にご説明いただきました。明治時代から蒼社川水系は大規模災害が頻発していました。治山、治水、利水の歴史を学びました。玉川ダムの建設も災害対策におおいに災害対策になりました。
また、昭和62年から続く林地整備の取り組みも行われています。複層林という考え方があり、朝倉村で行われてきました。植樹して50年がたったころに、更にその場所に植樹して樹齢100年に達する頃に伐採すると、樹齢50年の樹がそこに残ります。更に植樹して50年後に伐採・・と繰り返せば効率的な林業を営むことが出来るというものです。
ただ、実際には樹齢50年に隠れた若木は陽の光を浴びることが難しく、生育に問題があるのが現状です。一緒にいた林業家のご指摘では、「枯れた枝を多く持つ若木は、たとえこれから光を浴びたとしても立ち枯れを起こすだろう」とのことです。
当時の林業の考え方としては、土地を有効利用できる最先端の方法だったのでしょうが、問題もはらんでいるようです。林業は時間のかかる生業だと思いますが、土地柄と時代に合わせた方策も練らなければならないと思います。
私達が訪れた森はモデル林地ということで、今治市内の多くの林業イベントが行われているらしく、土もふかふかで綺麗な森を形成していました。

松木たかし