愛媛県産木材活用の新構造
林業の研修で、松山市にある新日本建設さんの建築現場を見学しました。
木工工場になる予定の建築現場は、愛媛県産の木を中心にCLT(集成材)を使い、木造2階建てで建築中です。
私が注目したのは、採用されている「媛トラス」と呼ばれる構造と素材です。媛トラスという構造は、愛媛県木材協会が開発したオリジナルの木造トラス構造であり、JIS規格と同等の強度を出すことができる新しい方式です。トラス構造は三角形を組み合わせたような形です。ドームや橋によく使われていますね。
この媛トラス構造の想定として、それを支える柱同士の距離が12mです。興味深いのは、この現場は柱同士の間隔を22mを採用していることです。
強度は大丈夫なのかー!と思いますが、そこはCLT専門の構造計算を行っている柚山製材所により保証されているようです。つまり、この現場は技術、材料共に県産品ということになります。
また、CLT自体に強度があるため、柱を包み込むようにつなぎ合わせることで強度を増しているということです。
社長のお話しでは、この建築物は様々な木工イベントで使用することになるそうです。あえてクロスなどで仕上げず、木材を見せる仕様のため、将来は誰でも観ることが出来るはずです。
県内のCLT活用は主に企業や公共の建物に用いられていますが、なかなか個人宅に使用する例がないのが現状です。
それに関して、移動中に興味深いことを聞きました。お菓子で有名なカバヤという会社をご存知でしょうか。カバヤグループの一社にライフデザインカバヤというものがあり、CLTを使った個人向け住宅を手掛けているそうです。CLTの構造的性能を活かして壁面に使用することで、大空間を構築することが可能なためデザイン性に優れたお家にできるようです。
CLTが高価なため個人宅に使用するにはハードルが高いのが現状ですが、カバヤなどの高性能なCLTが普及すれば、現実的な価格になるのかなと思います。さくさくぱんだやピュアラルグミを食べるときは是非CLTのことも思い出してください。
西条市に戻り、新日本建設さんのモデルハウスを見学しました。こちらは従来の木造2階建ての住宅です。建材から内装、調度品まで全て県産品だそうです。木の香りがすごーいの(´∀`*)ウフフ
松木たかし