第2回地下水ラボに参加しました
11月1日に開催された第2回地下水ラボに参加しました。
前回に引き続き、西条市の水資源を護るにはどうすればよいかをテーマに皆様と考えました。
地形の話ですが、四国は西日本最高峰の石鎚山がそびえ立つ急峻な地形を持ちます。山間部で降った雨は瀬戸内海側と太平洋側に流れますが、海までの距離が愛媛県側は高知県の広大な山間部に比べて約三分の一しかありません。
通常ならば、雨は一気に斜面を流れて海に消えるのですが、ご存知の通り我が西条市は豊富な地下水を保有する自治体です。
一見、水が無さそうな地形をしていますが、これはなぜなのかと申しますと、西条市を東西に貫く二本の活断層の存在があります。この二つの活断層に囲まれたエリアが大きく窪んだ形になっています。これが、ちょうどプールのような役割をして、地表からしみ込んだ水を蓄えているのです。
加茂川などの河川から流れ込んだ水は地下のプールに流れ込み、粘土層の間を縫って海へ注ぎます。この地下帯水層にうちこんだ井戸から出る水が「うちぬき」と呼ばれます。
講師のお話しでは、どの河川も近年水量が減っているということです。西条平野に注ぎ込む加茂川でさえ、一年のうちに水が途切れる日数が増えているそうです。
ここに何の問題があるかと申しますと、加茂川には鮎とカジカが生息していますが、河川が途切れることによって魚が海に行くことができずにその分繁殖の機会が減るところにあります。当然、生態系に影響を及ぼすことになるでしょう。
特に「カジカ虫卵型」は県内レッドデータブックに載っているほどの希少種になります。
この問題に対し、我々参加者がグループごとに意見交換を行いました。まずは現状を周知しなければなりません。学生さん達はXやティックトックなどのSNSを使って情報を拡散するという意見をお持ちでした。他には、口コミで知り合いや友人に話してゆく、節水する、広報誌や回覧板で情報を回してゆくなどの意見が挙げられました。
また、竹林整備のボランティアに参加されている方からは、竹林の抑制に力を入れるべきとのご意見もありました。これは、土砂災害を抑制して、山の保水力を回復するという意味ですね。
私自身は、今年から本格的に農業を始めております。農業に従事するにあたって水の管理の大変さを思い知った経験をお話ししました。小中学生などの義務教育で植物を育てる授業がありますが、特に食べ物を育てる実習は、学生さん達の節水意識を高める上で重要なのではないでしょうか。
大きな話ではありますが、ダムの建設も有効な手段なのだと思います。既に黒瀬ダムがありますが、水位低下が懸念される状況です。灌漑用水が必要になる時期に合わせて放水量を調節することで、塩水化を防ぐことに役立つのだと思います。
この会に先立ち、私なりに候補地を選定してみました。民家が少ない川の上流で、その川もある程度の水量がある場所で高低差も考慮しました。水量についてはグーグルストリートビューで見ただけだけどね。
講師にこの場所を建設予定地としてどうかと提案したところ、既に二か所だけ候補地に適した場所が選定されたことがあるとお話しいただきました。公式ではなさそうですが、一つは笹ヶ峰の吉居川付近であるというお話しです。
最後に、利き水大会がありました。4種類の水が用意され、それぞれ「うちぬき」「水道水」「塩分の入ったもの」「硬水」を紐づけしてゆくものです。
私は塩分が多い水しかわからず、惨敗でした。だって、水道水がめっちゃうまかったもん。水道業務課の方々、ありがとうございます。
松木たかし